スキミングの手口5つ。クレジットカード犯罪を防止しよう
キャッシュカードやクレジットカードの磁気情報を読み込んでカードを複製するスキミングは、今でも色々な手口が編み出されています。 そのような被害に遭わないためには、まずどのような方法でスキミングが行われるか知る必要があります。 そこで、スキミングの手口についてご紹介します。1.小売店などの会計時にスキミングする
スキミングはクレジットカードなどの磁気情報をスキマーと呼ばれる機械で読み込んでカードを複製する行為です。 犯罪者は複製したカードでキャッシングを行ったり、高額の買い物をして商品を転売して利益をあげます。 カードには接触式、非接触式があり、名前の通り読み取るのに機器と密着させる必要があるかどうかで区別できます。 キャッシュカードやクレジットカードの多くは接触式です。 そのため、スキミングを行うにも犯罪者は一時的にでもカードを手に入れる必要があります。 その方法として、特に東南アジアなどの海外で一般的なのが、会計するときに店員が受け取ったカードをスキミングする手口です。 特に後々通報されにくい海外旅行客が狙われやすいので注意が必要です。 客の目を盗んで別にスキマーというスキミング用の機械を使ってスキミングすることもありますが、カードリーダー自体にスキミングの機能が内蔵されていることもあります。
2.ATMにスキマーをしかける
最近話題となったスキミングの手口としては、ATMのカード差し入れ口にスキマーを仕込むというものがあります。 スキマーは巧妙に出来ており、一見するとATMの部品の一部にしか見えません。 さらに、暗証番号を確かめるためにATMの上などに監視カメラも仕掛けています。 そして何も知らない利用者がカードを差し入れて暗証番号を打ち込むと、そのカードデータと打ち込んだ番号が記録されるのです。 銀行などは監視カメラや警備員が配置されているのでこのような犯罪は起こりにくいのですが、最近になってコンビニなどにATMが設置されているので可能になった手口です。 方法がよく知られたこともあり、最近では新たな被害が出にくくなっています。 しかし、ATMを利用するときには不自然な装置がないかなどには注意しましょう。 また、コンビニなどよりは銀行のATMの方が比較的安全なので、余裕があればそちらを使いましょう。
3.窃盗でカードを手に入れる
空き巣などの窃盗で手に入れたカードをスキミングする手口もよく行われます。 この場合、スキミングするだけでカードや貴重品は元のままにしておくこともあります。 すると被害にあった方はそれに気づかないので、カードを無効にする手続きなども遅れます。 後日請求がきてから初めて気づくことになり、そのころにはいつどこでスキミングされたかもわからなくなってしまいます。 キャッシュカードでは暗証番号が必要ですが、カードと一緒に番号のメモを置いていたり、生年月日にしてしまっている例があります。 生年月日は一緒に盗んだ免許証などから分かってしまうので、セキュリティにはなりません。
3.貴重品を預けた先でスキミングする
国内の有名なスキミングの例として、ゴルフ場のロッカーを狙うものがありました。 ゴルフ場の番号式ロッカーに預けられたカードをスキミングし、同時にそのロッカーにカメラを仕掛けるのです。 番号式ロッカーは一時的に暗証番号が必要ですが、多くの人がカードの暗証番号と同じにしてしまいます。 その登録する姿を録画して暗証番号を類推します。 以前あった事件ではゴルフ場の支配人が共犯者の一人で、ロッカーを開けたりカメラの設置したりする事も簡単に行えたようです。 ゴルフを楽しむのは富裕層が多いため、その被害はかなり大きく話題となりました。 このようなことを防ぐためにも、暗証番号は使い回さないことが重要です。 ロッカーに限らず、貴重品などを預けるときにはスキミングされて同様の被害に遭う可能性があります。
4.金融機関の従業員や警察を装う
金融機関の従業員や警察など公的機関の職員のふりをして、手続き上必要だと暗証番号を聞き出そうとする手口があります。 スキミングはカードの偽造は可能ですが、それを利用して現金を引き出すには暗証番号が必要です。 何らかの方法でスキミングを行った後に、暗証番号を聞き出すために警察や金融機関の従業員を装って電話をかけてくるのです。 その時、もっともらしい理由をつけて暗証番号を尋ねてきます。 しかし、実際にはクレジットカードやキャッシュカードの暗証番号は、たとえ発行している金融機関であっても尋ねることはありません。 もちろん警察が暗証番号を尋ねることもありません。 そのような電話があったら暗証番号は教えず、警察やカードを発行している金融機関に連絡しましょう。
5.非接触式カードでは、ポケットの上からスキミングされることも
電車の定期などにも利用されている非接触式のカードは、その仕組み上、ある程度離れた場所からもカードの情報を読み取ることができます。 例えば、ポケットやバッグの外から中のカードのスキミングも理論上は可能です。 満員電車などでスキミングされる可能性があるという話もよく見かけます。 実際、それを防ぐためのカード入れや財布も市販されています。 しかし、今の所非接触式カードはプリペイド式などが主で限度額も小さく、そのために逮捕されるリスクを犯してまでスキミングを行う犯罪者はあまりいないようです。 それらを防ぐという商品も、実際に役立っているかどうかは犯罪自体が少ないので分かりようもありません。 今の所、このタイプのスキミングの手口については気にする必要はないでしょう。 一般的な接触式のカードについては少しでも離れると磁気が弱すぎて読み込めないので、このタイプのスキミングを気にする必要はありません。
悪質なスキミングの手口からカードを守ろう
スキミングの手口は巧妙で完全に防ぐのは難しいのが現状です。 しかし、被害を少なくするのは簡単です。 なるべくカードを手渡さないようにし、暗証番号をこまめに変え、引き出しの限度額を最低限にするのです。 スキミングが怖いからと多額の現金を持ち歩けば、それを狙った犯罪に巻き込まれることもあります。 ここに紹介した手口を参考に、賢くカードを使うようにしましょう。