地震の予兆を見極める方法
地震の予知は科学的にも難しいと言われています。 しかし、地震が発生することが予め分かれば、被害を極力抑えることが可能となります。 そこで、地震の予兆を見極める方法に関して概観します。1. 地震雲のもたらす予兆
現在の科学は、巨大地震が起こることを正確に予測することができるほどのレベルにはありません。 そのため、何かしら、地震の予兆を見極める方法があれば重宝します。 その1つとして、地震雲があります。 地震雲とは、地震が発生する前後に生じる雲と言われています。 しかし、科学的な理由はよく分かっていませんが、岩盤の変化に伴って生じた電磁波が 上空の雲に影響を与えるのではないかという説もあります。 地震雲には多くに種類はあります。 断層形地震雲、放射状形地震雲、帯状形地震雲、波紋形地震雲、などが知られています。 とはいうものの、日本のどこかで毎日、大なり小なりの地震が起きています。 これと地震雲の因果関係があるのか、単なる偶然なのか、科学的に検証することは困難であると考えられます。 昔から、瑞雲というように吉兆を雲と関連されることが多いです。 したがって、地震雲にもある種の畏怖や浪漫を感じることができます。
2. ナマズのもたらす予兆
ナマズが暴れると地震が起きると昔から言われており、 江戸時代には、鯰絵と呼ばれる、ナマズが地震を引き起こす浮世絵まで出ました。 さすがに、これは迷信であります。 しかし、ナマズに限らず、ネズミなどの動物は異変が感じ取る能力を備えていると言います。 地震が発生する前には、地殻が変動して音や電磁波が出たり、地下水などに影響が出たり、などの変化が起こります。 これを動物が感じ取っていることは考えられます。 とはいうものの、やはり、地震の発生と動物の行動の因果関係を解明することはとても難しいことです。
3. 地震の空白地域
地震の発生するメカニズムは、プレートが動くことが根本にあります。 それにより、直下型地震、海溝型地震、火山性地震という種類の地震が起こっています。 そして、日本の近くでは4枚のプレートがぶつかり合っているという世界にもまれな地震多発地帯になっています。 したがって、日本に住んでいる限り、地震は避けることができない自然現象として向き合うしかありません。 過去に起きた地震を地図の上にプロットしていくと、地震のあまり起きていない空白地域があることに気付きます。 このような地域は、地震が起こるためのエネルギーが蓄積されている段階にあります。 いつ、そのエネルギーが解放されて巨大地震が起きてもまったくおかしくはありません。 阪神淡路大震災が起きるまで、誰も神戸を直下型の巨大地震が襲うとは考えていませんでした。 このように、地震の空白地域はいつ地震が起きてもよいという状態にあります。 したがって、地震の発生を予兆していることにもなります。 該当する地域やその付近は、早急に対策を講じる必要があります。
4. 地震の周期性
巨大地震には周期性があることが分かっています。 有史以来、何度となく、日本には大地震が起きています。 それが歴史として、歴史書や日記の中に記録が残されています。 それを辿っていくと、巨大地震が周期的に発生していることが分かります。 これは、一定の速度で海のプレートが陸のプレートの下を沈み込む際に、 海のプレートに巻き込まれて陸のプレートはひずみを生じます。 このエネルギーが解放されて海溝型の巨大地震が起こるタイミングに周期性が見られるのです。 東京では、前回の巨大地震が関東大震災になり、そろそろ次の地震の来る予兆があると考えられます。 したがって、東京に限らず、前回の巨大地震から長い時間が経っている地域は、 次の巨大地震が起こる可能性が高いと思って間違いないでしょう。
5. 常時監視の体制を整えて予兆を掴む
現在、常時の監視体制が整えられているのは、東海地震という駿河湾付近を震源とする地震です。 これにより、新たな知見が蓄積され、地震予知の精度が上がっていく可能性があります。 そして、人工知能が更に発展して、膨大なデータを処理して解析することができるようになるかもしれません。 そうなれば科学的に予兆を捉えて、巨大地震の発生を正確に予想することが可能な社会が将来が来ることも考えられます。
地震の予兆を見極める方法を知ろう
巨大地震の発生の予兆を捉えて、その発生を正確に予測することは現在の科学力では不可能です。 また、地震雲の発生、ナマズなどの動物の行動などと、地震の因果関係を立証することも極めて難しいと言わざるを得ません。 したがって今の時点で、地震の予兆を知る頼りになることは、 「過去の地震の発生地点を記した日本地図で見られる地震空白地域は、いずれ地震が起こる可能性が高い」 ということです。 そして、「巨大地震の周期性から、前回の発生から次回の発生までの、時間的な間隔がおおよそ予想される」ことです。 これを踏まえて、該当する地域は地震対策を取ることが急務であると言えます。 そして、日本にいること自体が予兆であると考え、地震は起きるものとして備えることが賢明です。