火事が起きた時にすべき初期動作3個
消防庁が毎年発表しているデータを参照すると、ここ数年、火事の年間発生件数は40000件前後で推移。 今日1日だけで、100件以上の火事が起こっているのです。 次はあなたの家でないとは言い切れません。 今、あなたが調理している天ぷら油から白い煙が出てきたとします。 「いやだ、温度が上がり過ぎちゃったのかしら」急いでスイッチを切ってみても、白煙は渦を巻き始め・・・ボッ。 火が出ました。 火はあっという間に縦長になり、天井に達するまで、わずか3分。 突然の出来事に慌てふためいて右往左往するあなたが、この間に火を消し止められるでしょうか。 「もし自分の家で火事が起きたらどうするか」をシミュレーションしておくことは大変意味のあることです。1.初期消火できる段階か、できるならすぐに消火器を
まず、火事に気づいた時点で、それが初期消火できる段階かどうかを見極めることが大事です。 天井まで火が達していたら、自力での消火は諦めて即避難です。 それより小さい火だったら、初期消火を試みましょう。 残された時間はたった2、3分です。 難しく考え込んでいる猶予はありません。 酸素を遮断すれば火は燃え拡がらないわけですから、落ち着いて火の出ている鍋に蓋をしてしまえば良いんです。 濡らした毛布やバスタオルを被せるのも同じ原理。 火が見えなくなったら、温度が下がるまでそのままにしておきます。 油の温度を一気に下げようと、水をかけたり野菜を放り込んだりは厳禁。 火が飛び散ります。 でも何より確実なのは、消火器です。 消火器をすでに備えているお宅なら、迷わず使いましょう。 アパート、マンション等なら、共有部分に備え付けられていることも。 あらかじめ場所を確認しておいてくださいね。 消火器を使うと消火剤が飛び散り、後の掃除がちょっと大変かもしれませんが、背に腹はかえられません。 大火になる可能性を1秒でも早く絶つべきです。 でも、すべての消火器が、すべての火事に使えるわけではないのも事実。 「この消火器をこの火事に使って良いのかどうか」悩むとき、消火器の赤い胴体に白、黄、青の丸いマークがあったら即OK。 ABC粉末消火器といって、A(普通火災)B(油火災)C(電気火災)いずれにも対応できる消火器だからです。 近年はいろいろなタイプ、デザインの消火器がありますが、これから購入する方はABCすべてに対応しているものがよいでしょう。 消火器1本で、バケツ9杯分の水に相当する消火力があります。 初期の段階なら、数秒間の噴射で消火できてしまいます。
2.自力で消火できないときは、落ち着いて外へ
気づいた時点で初期消火できる段階を過ぎている場合や、自分での消火がうまくいかなかった場合。 あなたの決断の早さが、この後を大きく左右します。 次の順序で行動する、と決めておきましょう。 1.火の出た部屋の窓・ドアをしめて外へ 2.大声で近所に知らせる、火災報知器のボタンを押す 3.119番通報する 窓を閉めるのは、外から酸素が入り込んで燃焼を加速させるのを防ぐため。 ドアを閉めるのは、他の部屋への延焼を少しでも遅らせるためです。 ものが燃焼する際に出る煙の中には、様々な有害物質があり、吸い込むとあっという間に意識を失います。 濡れたハンカチで鼻と口を覆い、姿勢を低くして、煙に巻かれる前に外へ避難しましょう。 天井へ到達した煙は横方向に広がり、煙の量が増えるとだんだんに床へ降りてきます。 廊下のように細長い空間では、火元から遠ざかるほど煙が冷やされて、下に降りてくるから要注意。 煙の充満は想像よりも早く、家の中で複雑な動きをするんです。 貴重品、金品を取りに戻ってはいけません。 外へ出たら、すぐに次の行動に移ってください。
3.周囲に知らせれば、助けてもらえる
自力での消火を諦めたからには、周りの人にいち早く伝える義務があります。 恐怖と緊張でなかなか声が出せない場合もあるでしょう。 フライパンをおたまで叩いて大きな音をたて、非常を知らせるのでも良いでしょう。 周りの人が異常に気づいてくれれば、119番通報や近所への避難の呼びかけなどに協力してもらうことができます。 火事に気づかず逃げ遅れている人がいたら大変なこと。 声かけは素早く、漏れのないように行います。 119番につながったら、次のことを聞かれますので、落ち着いて答えましょう。 ・火事か救急か「火事です」 ・現場の住所・現在の状態(何が燃えているか) ・自分の名前、電話番号 動転した状態ではうまく説明できないこともあります。 「相手が聞いてきたことに答える」ことを心がければ大丈夫ですよ。 消防車が入ってくる道幅や駐車スペースが狭い場合、車の移動等をして待てば、スムーズな消火活動につながります。
火事が起きたときに取るべき3ステップ
火事が起きたときにすべき初期動作の3ステップ、いかがでしたか? 一度火事を起こしてしまったら、鎮火後も大変な後始末が待っています。 警察・消防からの事情聴取、電気ガス水道会社への連絡、通帳や身分証明書の再取得、火災保険の請求など。 想像するだけで気が遠くなりますね。 だからこそ、普段からの備えとシミュレーションが大事。 万が一火事が起きてしまっても、最初の3分間で消火できるよう、準備しておきたいものです。