火災報知器が鳴る原因4個

火災報知器が鳴る原因4個

突然ジリリリリ・・・とベルが鳴りだす火災報知器。 実際の火事に遭遇した事が無い方でも、 お勤め先の会社等の消防点検で短時間だけでも聞いた事はある方もいるかもしれません。 火災が起こっている事を知らせる火災報知器、その鳴る原因を解説します。 (本記事は施設・事務所等の火災報知設備に関しての内容であり、住宅用火災警報器とは異なります)

1.火災による熱を感知した

火災が発生すれば当然周囲が高温になります、その熱を感知して警報音を鳴らす信号を送るのが「熱感知器」です。 一番良く見かけるのが天井に付いている円形の物体です。 工場等、広い範囲の場合は「空気管」という電線のように細いパイプが張り巡らされています。 これも熱感知器の一種ですがこれは目視では分かりにくいと思います。 これらは熱をセンサーが読み取ったり、機器内部の空気が熱で膨張する仕組みで作動します。 熱の膨張を利用したものは機器内部の空気が熱で膨張すると、その空気で内部の金属が押され、 それが別の金属に接触して信号を送る仕組みになっています。 時折「感知器をぶつけてしまったためベルが鳴ってしまった」という話がありますが、 これは激しい衝撃でその金属が接触してしてしまったために起きたのが原因と思われます。 これから解説するどれでも同じですが一回でも信号が送られれば、停止操作を行わない限りベルは鳴り続けます。 ですのでたった1回の衝撃でも延々とベルが鳴り続けます。

2.火災の煙を感知した

火災の初期では火よりもまず煙がもくもくと上がってきます。 高い天井だと熱が天井の感知器まで届くのに時間が掛かりますが、煙はすぐ天井まで上がり、周囲に回ります。 熱を検知するよりも早い段階で検知できるのが利点です。 但し機器の値段は熱よりも高い傾向です。 煙感知器は感知器内部に入った煙により内部の光の進み方がおかしくなる事により信号を送ります。 そのため異常に埃っぽい場所では誤作動を起こす可能性があります。 工事等で異常な埃が発生する可能性がある場合は要注意です。 またこの煙感知器は場所によっては防火戸や防火シャッターを作動させる役割も果しています。 防火戸・防火シャッターは、火災による炎を遮断する役目を果たします。 階段を上がった・降りた先に用途のよく分からない謎の扉があるのを見た経験はありませんか? あれは防火シャッターが降りた後、人が避難するための避難扉となっています。 防火戸は戸の中に小さな避難扉が設けられている場合もありますが、 人の力で開ける事が可能なため避難扉が無い場合もあります。 作動はゆっくりですが予備知識が無いと突如降りてくるシャッター、突如閉まる扉に驚くかもしれません。

3.炎を感知した

炎が発生すると赤外線や紫外線が発生します。 それを感知するのが炎感知器です。 これは天井がかなり高い所に付けられるため、設置されている場所が限られるので見た事が無いという方が多いでしょう。 熱・煙感知器は知らないうちに見ている人がほとんどですが、 炎感知器一生見ないという方もいるかもしれませんが参考までに。

4.誰かが発信器のボタンを押した

「発信器」と言うと何の事か分からないかもしれませんが、 「火災の時に押すボタン」と表現すればピンとくる方もいるかもしれません。 通路等で赤いランプがあるすぐ近くにあるボタンの事です。 これは人が火災を発見した際に手動で報知器のベルを鳴らして周囲の人に火事を知らせる目的があります。 人が意図的に作動させる装置であるため、早期発見できれば装置より早く火災を知らせる事ができますが、 デメリットはいたずらや何らかの原因で誤って押してしまう点があります。 一応ある程度強く押さなければ作動しない構造にはなっていますが、十分御注意ください。 また火災の時に備え、物を置いたり掲示物を貼ったりしてボタンの場所が確認できない、 ボタンががすぐ押せない状況を作らない様に注意してください。

火災報知器が鳴る原因を知ろう

火災報知器は火災という命に関わる事態を知らせてくれる大切な装置です。 そのため絶対にやってはいけないのは「音だけ止めて放置する」という行為です。 「どうせ誤作動だろう」という思い込みで鳴った原因を突き止めず、 ベルを止めてしまうと本当の火事であった場合、避難が間に合わなくなる危険があります。 解りやすく炎や煙が上がっていた場合は速やかに初期消火を行い、無理だと判断したら即座に避難してください。 ベルが鳴っても原因が分からない場合は、検知場所が表示されるのでその周囲をよく確認してください。 誤作動が疑われる場合は消防設備の施工・点検を行っている業者に点検を依頼してください。 火災報知器をはじめほとんどの消防設備は有資格者でなければ工事も修理も行ってはいけません。 無資格者や知識が不十分な者が判断して修理を行うと取り返しのつかない事態となる可能性があります。

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