地震発生のメカニズム4個
日本は世界的にもまれに見る地震大国です。 そのため、地震は起こるものとして、その対策を事前に講じておくことはとても賢明です。 それとともに、地震について見識を深めることも重要です。 そこで、彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず、ではありませんが、 地震発生のメカニズムを確認しておきたいと思います。1.直下型地震のメカニズム
地球の表面は、プレートと呼ばれる広大な岩盤10数枚から成り立っています。 更に、海のプレート、および、陸のプレートに大別されます。 驚くべきことに、これらのプレートが年に数10cmほど移動しています。 それに伴い、プレート同士がぶつかり合ったり、一方の下に沈み込んだりして地殻変動をもたらしています。 これをプレートテクトニクスと呼んでいて、地震の発生に大きく関与しています。 海のプレートが陸のプレートに沈み込むにつれて、プレートが擦れ合う部分から離れた陸の下において、 沈み込みに伴うエネルギーが徐々に蓄積されていきます。 そして、あるとき、そのエネルギーが解放された瞬間に、活断層がずれて地震を引き起こします。 ちょうど陸の下が震源となるため、このようなメカニズムで発生する地震を直下型地震と言います。 陸の直下で起こる地震であるため、地震の規模が小さくても大きな縦揺れが起こり、 住宅に甚大な被害をもたらして倒壊させることもあります。 その代表的な例として、阪神淡路大震災や新潟県中越地震などが知られています。
2.海溝型地震のメカニズム
プレートテクトニクスは地震の発生に深く関わっていますが、 直下型地震とは別のメカニズムの地震も引き起こしています。 海のプレートが陸のプレートの下に沈み込むと、 陸のプレートが海のプレートの沈み込みに巻き込まれて、陸のプレートがひずんでいきます。 そして、あるとき、陸のプレートのひずみが跳ね上がり、大きな地震を発生させます。 ちょうど海溝の側が震源となるため、これを海溝型地震と言います。 陸地からやや離れたところで発生する地震であるため、揺れが陸に到達するまでに幾分緩和されています。 そして、この揺れが横揺れであるので、家具が倒れることはあっても、住宅が倒壊する被害はあまりありません。 しかし、陸のプレートの跳ね上がりとともに海水も持ち上げられ、巨大な津波が起こります。 そして、陸の沿岸地域に甚大な被害を与えます。 つまり、揺れよりも津波の方が脅威となっています。 その代表的な例として、東日本大震災などが知られています。
3.火山性地震のメカニズム
プレートテクトニクスには、直下型地震と海溝型地震に加えて、火山性地震も引き起こします。 火山活動の盛んな地域は、まさにプレートがぶつかり合っているところに位置しています。 つまり、沈み込むことで擦れ合うプレートが融け出してマグマとなって吹き出してくるのです。 また、ハワイのようにプレートの中側に位置するホットスポットというマグマが吹き出ているところでも火山活動があります。 そして、火山活動に伴って地震が起こり、これを火山性地震と言います。 この火山性地震で最も揺れが大きいものは、噴火によるものです。 それ以外には、揺れは小さなものですが、マグマが流れたり、 火山ガスが発生したりという火山活動によって起こるものがあります。 震源は浅いものが多くなっていますが、火山活動の状態を推し量るのに火山性地震は重要な指標となっています。 また、火山活動のない地域では、火山性地震による被害はまずないと言えます。
4.人工地震のメカニズム
プレートテクニクスによる自然発生による地震以外にも、人為的に引き起こす人工地震と言われるものもあります。 火山活動に関する研究のために、ダイナマイトを用いて揺れを人工的に引き起こしています。 これにより、地下のマグマの状態を知ることができ、噴火予知に役立てられます。 日本では、蔵王山や桜島などで、人工地震が引き起こされて、研究が行われています。 しかしながら、ダイナマイトによる人工地震の揺れはとても小さなもので、 揺れが地下2kmに達する程度のものですが、データ取りには充分です。 こう考えると、自然の地震の規模の大きさが実感されます。
地震発生のメカニズムを知ろう
日本の周辺では4枚のプレートがぶつかり合っています。 そのため、プレートテクトニクスに基づく地震として、直下型地震、海溝型地震、 火山性地震が多発していますが、避けようのない自然現象です。 そのため、地震発生のメカニズムなど、地震に関する知識を確認しておくことはとても大事です。 これにより、地震の対処法も勘案されます。 地震の空白地帯と思われる地域は、発生が予想される地震に対して事前に対策を講じておくことが求められます。 早速、家具の固定、水や食料の確保などをしてみてはいかがでしょうか。